ITエンジニアとして成長するために30歳までに経験しておきたいこと

私はとっくに30歳を過ぎ去ってしまいましたが、20歳代前半の方へのメッセージです。
ITエンジニアとして成長するために30歳までに経験しておきたいこと。

1. 身銭を切る

自分の技術力を向上させるために身銭を切りましょう。会社の研修がある?そういう義務感で参加する研修で、本当に身につく技術は微々たるものです。
自分のお財布からお金を払って本を買いましょう。研修に参加しましょう。お金が無い人はプライベートの時間を削って勉強しましょう。時間も貴重な財産の一つです。
そして、ダメな本・ダメな研修にたくさんお金を使って、悔しい思いをたくさんしましょう。悔しい思い出は、あなたをとても成長させます。
これを繰り返していると、良いモノを見分けることができるようになります。良い本に出会える確率がずっと高くなります。良い先輩・良い仕事に出会える確率がずっと高くなります。そして、そこからが本当のスタートです。

2. 場数を踏む

とにかく経験を積みましょう。仕事は選びません。機会があれば、どんな辛いものであっても真剣に取り組んでみましょう。その中に何か発見があるはずです。
トラブル対応は、成長するのに絶好の機会です。涙を流している上司や社長がいても、あなたにとっては願っても無いチャンスです。
他人がやりたくない仕事があったら、進んで取り組みましょう。それは他人ができない貴重な経験を積む機会です。
他人と同じことをやっていたのでは、埋もれてしまうだけです。他人と違う経験を積むからこそ、価値が生まれるのです。

3. 手を動かす・体を動かす

20歳代後半になってくると、開発現場から遠ざけられる会社もあります。管理業務だけになってしまう場合もあります。
こうなってしまうと、身につけることができる能力は、Excelの上手な使い方と、MS-Projectのショートカットだけになってしまいます。
自分の手でプログラムを書きましょう。OSをインストールしましょう。サーバの設置作業も率先して行いましょう。
手と体を動かすことは、頭を働かせることです。その中で色々なことを考えてみましょう。
そのような経験をしたあなたは、プログラマをバカにするマネージャや、50Kgもあるサーバの設置を一人でやらせるマネージャになることはないでしょう。

4. 後輩を育てる

あなたに後輩はいますか?もしいるのなら、絶好のチャンスです。その後輩を育てましょう。
ここで注意しなければならないのは、「知識」を教えることに注力しすぎないことです。変化の速いIT業界において「知識」は瞬時に陳腐化します。
教えなければならないのは、知識の「習得方法」であり、あなたが持っている「エンジニアとしての哲学」です。
自分の右腕を育てようと思ってはいけません。自分の劣化コピーを育てても意味が無いからです。できればあなたを超えるエンジニアを育てましょう。
追い抜かれるのが怖いって?大丈夫です。後輩以上に努力すれば、追い抜かれることはありません。

5. 後輩から教えてもらう

30歳が近づいてくると、体力が落ちてきます。物覚えも悪くなってしまいます。
そこで新しい知識は後輩から教えてもらいましょう。あなたが育てた後輩は一人前のエンジニアになっています。
そして、後輩はあなたが持っていない「何か」を持っています。この「何か」を引き出して強くしていくことが30歳のあなたの役割です。


ここまで読んで気付いたと思います。
最初は1人だったエンジニアは、あなたと同等かそれ以上の技術力を持つエンジニア2人になっているのです。後輩が2人、3人といれば、もっと効果は大きいです。
もし後輩がさらに後輩を育てていれば、それは何倍にもなっているのです。
変化が速く、技術がどんどん高度化するIT業界において、30歳代までに経験して欲しいことを書いてみました。