「若者はなぜ3年で辞めるのか?」を読んで

2006年出版ですので少々古い本なのですが、城繁幸氏の「若者はなぜ3年で辞めるのか?年功序列が奪う日本の未来(光文社新書)」を読みました。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

表現方法と焦点は異なりますが、私も同じ考えを持っています。

私がこの本の中で書かれている内容にプラスして、より大きな声で主張したいのは、人間にはタイムリミットがあるということです。

時の流れと同時に、世の中や時代背景は変化していきます。私たちはその中を生きているのですが、意識しなければならないのは、私たち自身が確実に衰えていくという点です。

ヒトが動物としてピークを迎えるのは18歳〜25歳くらいの間です。その後は、体力や精神力が確実に失われていきます。人によっては病気を患う可能性もあります。子どもが欲しいと望んでいる方も、やはりヒトが動物としてピークを迎える時期に出産をしたほうが良いです。これは男女ともに共通したことで、ピーク時期を終えた後での子育ては、体力や精神力を想像以上に消費します。40歳を迎える頃には人生の折り返し点を過ぎ、"生"よりも"死"に近いところを生きることになります。

今の社会制度(本著の中では「昭和的価値観」と呼んでいます)の中で生きていくことに不満を感じ、そのレールから出ていきたいと感じている方は想像以上に大勢いると思います。特に20代の方でこのように感じている方も大勢いると思います。ただ、20代の頃は自分自身のタイムリミットを感じることはほとんどありません。私自身がそうであり、当時の体力と精神力が永遠に続くと過信していました。しかし、実際には体力も精神力も確実に衰えました。すっかり枯れ果てたという意味ではありませんし、まだまだ体力も精神力も十分に備わっています。ただ、ピークだった頃から比べると確実に低下しているということです。

年齢を重ねることで熟成されるものもあります。十分な勉強をすることなく飛び出すことが無謀であることも事実です。しかし、「若さ」というモノは、それ自身が大きな価値を持っており、それより上の世代と比べた時に大きな優位性になるのです。もし今のレールを飛びだしたいという方がいれば、若さという価値が時間の経過とともに失われつつあるのだということも意識してもらいたいと思います。