大学入試センター試験ミスについて思うこと

1/14(土)から大学入試センター試験が始まりました。
その初日から以下のミスがあったことが明らかになりました。(順番に意味は無いですし、これが全部かどうかも不明です。)

  • 地理歴史と公民の試験配布に手間取って試験開始時刻が遅れる
  • ICプレイヤーの数が不足した
  • ICプレイヤーの不具合で音声が聞き取れない
  • 地理歴史で沖縄本島などの島が欠落した地図が配布される

私は大学入試センター試験を受験したことが無いので、大学受験の際に受けなければならないらしいということと、マークシート方式で回答するということくらいしか知りませんが、18歳前後の若者の人生を左右するきっかけになる試験だということくらいは認識しています。大学入試センターには、可能な限りミスを防ぐ努力をして欲しいです。

ここで私が思うのは2つ。

1つ目。人生を左右するきっかけになる程の重要な試験を実施しているということは、大学入試センター自他共に認めるところだと思います。しかし、ミスを防ぐためにチェック体制を強化すると、関わる人が多くなるため、試験問題漏洩のリスクも高くなります。万一漏洩した場合にも、漏洩元の特定は困難になることでしょう。大学入試センター試験で、最も避けなければならない最悪の事態は、試験問題が事前に漏洩することなのです。
大学を教育機関だと捉えると、教育を受ける機会の平等性の観点から、現実的なコストで試験を実施しなければならないことも忘れてはなりません。大量にお金を投入して試験の信頼性を向上させたとしても、それが受験料に反映されて、経済的事情から受験できない人が出てくることは避けなければなりません。信頼性・セキュリティ・コストのバランスを取りながら実行するという点では、一般企業の業務と同じだと思うのです。

2つ目。世間は「センター試験が100%完璧に実施されること」を前提にしているということ。「試験にミスがあった場合には〜」とか「ICプレイヤーが利用できなかった場合には〜」などの事態は想定していません。万一ミスがあろうものなら、新聞社を始めとするマスコミから糾弾されます。
仮にどんなにコストをかけたとしても、絶対に出題ミスや試験ミスが発生しないということはあり得ません。そこで、予め受験生向けに「試験がおかしいと思った場合の行動」とか「ICプレイヤーが利用できなかった場合の行動」を周知しておいたほうが慌てなくて済みますし、現場の試験監督にも、試験ミスになるようなことが発生した場合の行動や連絡体制を周知徹底して、模擬訓練をしたほうが現実的な対策だと思うのです。

ありましたよね。100%安全だから事故なんて起きない。避難訓練や事故の対応を考える必要は無いと言っていた原子力発電所が…。

そして敢えてもう1つ挙げるなら、大学入試センターと試験の存在意義。ただ、これはまた別の話…。