大企業に就職するメリット、ベンチャーという名の中小企業

id:pucotan:20111225では、就職活動を行うにあたって、大企業vsベンチャーという視点で書きました。どちらかというとベンチャー企業への就職を促す内容になってしまいましたが、これは大企業を志望している学生が多いという現実から、ベンチャー企業への就職も候補に入れて欲しいという思いから書きました。今日は大企業に就職するメリットと、ベンチャー企業に就職する際に気を付ける事について書きます。

大企業に就職するメリットの一つに、中小企業では経験することのできない規模の仕事に携わることができるという点があります。数十億〜数百億円またはそれ以上の規模の仕事を体験できるのは、大企業ならではのメリットです。就職して数年間は下積み生活が続くでしょうが、30代〜40代にかけて大きな仕事に携わる機会に恵まれることがあります。そういう仕事に対して興味があるのであれば、是非大企業を志望するべきでしょう。ただし、良くも悪くも多くの同期社員の中で競争があります。優秀であれば競争に勝てるという世界ではなく、運や巡り合わせも重要な要素です。その運を手繰り寄せるための努力を続けることで、希望とする仕事に着ける可能性も大きくなることでしょう。

年収の面でも大企業のほうが恵まれています。一般的には「初任給」や「平均年収」という形で公表されています。
私はこの数字のみに注目するのは間違っていると考えています。それは「初任給」や「平均年収」という数字では表れない利得があるからです。例えば以下のようなものがあります。

  • 寮や住宅補助
  • 研修費用等、自己研鑽への補助
  • 財形貯蓄制度
  • 退職金制度
  • 企業年金制度

これらの数字を考慮すると、初任給がほとんど同じ企業だったとしても、「手許に残るお金」は圧倒的に大企業のほうが多くなります。もし年収を重視しているのであれば、これらの点も考慮することです。もしかすると、初任給が少ない企業であったとしても、上記のような利得を金額に換算すると、逆転することもあるからです。(ただし、いつまで続くかわかりませんが。)


さて、もう一つのテーマであるベンチャー企業に就職する際に気を付ける事についてです。

いつからベンチャー企業という呼び方が出てきたのかわかりませんが、日本ではおそらくITバブルの時代だったと思います。「我々は中小企業とは違うんだ」というアイデンティティを確認するために使われた用語のようにも感じます。このような企業の中には、まさに急成長して大成功した企業もあれば、数年を待たずして消えていった企業もあります。これは両者ともにベンチャーと言えるでしょうし、何かに挑戦した結果とも言えます。

しかし問題は、ベンチャーを10年以上も自称している企業の存在です。それらの中には、他企業にエンジニアを派遣することで日銭を稼ぎ、倒産することも無ければ大成長することもなく、でもどちらかというと緩やかに坂を下っているという企業がたくさん存在しています。このような企業には決して就職しないことです。このような企業は新卒社員を都合の良い労働力としか見ておらず、数年で使い捨てにするからです。本当のベンチャー企業は、成功するか失敗するか分からない"何か"に挑戦しており、そのような緊張感を楽しんでいます。そのような環境に身を置くことで、自分自身も成長することができることでしょう。

この似て非なる自称ベンチャー企業については、また日を改めて書きたいと思います。